標準貫入試験
主任
0. まずここだけ覚える
- 掘削孔径は直径 65〜150 mm(150 mm 超は試験結果に重大な影響あり)
- SPT サンプラーで採取した試料は「乱した試料」(「乱れの少ない試料」は誤り)
- カッティングス残存・深くなる → N 値が「過大」になる(「過小」という記述は誤り)
1. 意味(一言でいうと)
63.5 kg のハンマーを 75 cm 落下させ、SPT サンプラーを 30 cm 貫入させるのに要した打撃回数(N 値)を求める原位置試験。
ボーリング孔底で実施し、地盤の硬軟・締まり具合の指標となる N 値を取得するとともに、乱した試料(土質判定用)を採取する。ほぼすべての地盤調査で実施される最も基本的な原位置試験。
2. 出題パターンと重要ポイント
章別の出題傾向
| 章 | 出題数 | 主な出題テーマ |
|---|---|---|
| 第3章 | 8 | 試験規格・器具点検・孔掘削留意点・試料記録方法 |
| 第4章 | 3 | N 値に与えるボーリング掘削時の影響 |
| 第2章 | 2 | 構造物基礎の原位置試験の分類 |
| 第6章 | 1 | 積算の考え方 |
※出題数=令和元年度試験〜令和7年度試験の6年間に出題された数
頻繁に問われるポイント・ひっかけ
【試験規格・器具】
- 掘削孔径: 65〜150 mm(65〜200 mm などは誤り)
- ロッドの直線性は少なくとも 40 回ごとに目視確認
- 掘削器具の引き上げは急がない(急ぐと負圧が発生し孔底地盤が乱れる)
- ケーシングは試験深度より下に貫入させてはならない
- N 値 50 以上想定の地盤では予備打ちを本打ちに代えることができる
【試料採取と記録】
- SPT 採取試料は「乱した試料」(「乱れの少ない試料」は誤り)
- 試料が 2 土層にまたがる場合 → 上下関係を保ったまま各土層について記録(代表する1 土層のみは誤り)
- コンクリート片などの人工物の混入も記録が必要(記録不要は誤り)
【柱状図の総削孔長】
- 最終深度での SPT 貫入量は総削孔長に含めない
【N 値への影響】
- カッティングス残存 → N 値過大(先詰まり)
- 深くなる(ロッド・孔壁の摩擦) → N 値過大(「過小」は誤り)
- ボイリング・泥水の過剰送水 → 孔底が乱れ N 値に影響
【積算】
- 同一孔での標準貫入試験・サンプリングの延長は掘削延長に含む(含まないは誤り)
3. 過去問例
(令和7年度 第3章 問38より)
次は,標準貫入試験(JIS A 1219:2023)について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。
- (1) N 値 50 以上と想定される地盤では,予備打ちを本打ちに代えることができる。
- (2) 本打ちは,特に必要がない限り 50 回の打撃回数で打ち切る。
- (3) 採取した試料は,密閉して保存する。
- (4) 採取試料が2つの土層にまたがる場合は,代表する1つの土層について記録して報告する。
正解:(4)
ポイント:複数土層にまたがる場合は「1 土層にまとめる」のではなく、上下関係を保ったまま各土層について記録・報告する。
4. 覚え方
| 混同しやすい事項 | 覚え方 |
|---|---|
| 孔径 65〜150 mm | 「150 が上限。200 は論外サイズ」 |
| 採取試料は「乱した試料」 | 「ハンマーで叩いた後の土が乱れないわけがない」 |
| カッティングス → N 値過大 | 「詰まりがあるから余計に打撃が要る → 過大」 |
| 深くなる → N 値過大 | 「ロッドが長いほど摩擦が増える → 過大」 |
| 積算:試験延長は掘削延長に含む | 「標準貫入試験もボーリングの一部 → 含む」 |
5. 関連用語
- N 値:標準貫入試験から得られる打撃回数そのもの
- ボーリング調査:標準貫入試験の実施母体
- 液状化:N 値 20 以下の砂質土で検討が必要
- 泥水管理:孔底の乱れを防ぐ重要な管理項目
6. 参考文献
- JIS A 1219:2023「標準貫入試験方法」
- オーム社『ボーリングポケットブック第6版』(第5・6章)
- 地盤工学会『地盤調査の方法と解説』
- 全地連「ボーリング野帳記入マニュアル土質編」(2000 年 9 月)
- 全地連「ボーリング柱状図作成及びボーリングコア取扱い・保管要領(案)・同解説」(平成 27 年 6 月)
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