土壌汚染調査
主任
0. まずここだけ覚える
- ボーリング孔は観測井として仕上げる(別に掘削する必要はない)
- 揮発性物質対象時:ビット回転による加熱を避け打撃・圧入で掘削
- 泥水使用は禁止(汚染を深部に拡散させるため)
- 孔の埋戻しはセメントミルク・ベントナイト等(発生土は不可)
- 礫・異物除去は分析機関で行う(現場では行ってはならない)
- 防毒マスク vs 防じんマスク:有毒ガス滞留 → 防毒マスク、粉塵 → 防じんマスク
1. 意味(一言でいうと)
有害物質による土壌・地下水の汚染状況を把握するための調査。
力学的データ取得ではなく化学的データ取得が目的。試料の二次汚染防止・安全対策が通常のボーリング調査と大きく異なる。
2. 出題パターンと重要ポイント
章別の出題傾向
| 章 | 出題数 | 主な出題テーマ |
|---|---|---|
| 第2章 | 2 | ボーリング作業の留意事項・表層土壌採取の手順 |
| 第3章 | 1 | ボーリング作業の適切な手順 |
| 第6章 | 3 | 安全対策(マスク・防爆・ガス測定) |
※出題数=令和元年度試験〜令和7年度試験の6年間に出題された数
頻繁に問われるポイント・ひっかけ
【観測井の設置】
- ボーリング孔は観測井として仕上げることが望ましい → 別に掘削する必要はない(「別に掘削しなければならない」は誤り)
【揮発性物質への対応】
- 揮発性物質を対象とする場合 → 打撃・圧入等で掘削(ビット回転による加熱は避ける)
【泥水の使用禁止】
- 泥水を用いると汚染物質を地下深部へ拡散させてしまう → 泥水掘削は不可
【孔の埋戻し】
- 発生土で埋め戻すと汚染を拡散させる → セメントミルク・ベントナイト等の遮水材で充填
【地下水観測孔の仕上げ】
- 帯水層区間のみにスクリーンを設置し、上下は遮水材で完全遮水
- オールストレーナー孔は汚染拡散のリスクがある → 不可
【表層土壌の採取と取り扱い】
- 採取区分:0〜5cm(地表層)と 5〜50cmの2層に分けて採取し、それぞれ別容器に保管
- 礫・木片等の除去は分析機関(分析室)で行う → 現場で行ってはならない
- 風乾・粗砕後に非金属の2mm目ふるいを通す(分析機関での作業)
- 採取後は暗所保存・速やかに試験実施
【マスクの使い分け】
| 環境 | 適切な装備 |
|---|---|
| 有毒ガス・有害ガス滞留 | 防毒マスク |
| 有害物質を含む粉塵 | 防じんマスク または防毒マスク |
| 「防じんマスク」を有毒ガス滞留に使用 | → 誤り(R6 Q93 正解) |
【その他の安全対策】
- 地下水採取時:保護眼鏡の使用
- 閉鎖空間:引火性ガス・有毒ガスの滞留に注意
- 埋設廃棄物採取:想定外の物質も含め包括的な安全対策が必要(「想定される物質のみ重点的に」は誤り)
- 土壌ガス採取時:有害ガスの吸引による中毒に注意
【調査対象の有害物質に関する知識】
- 気化する物質(テトラクロロエチレン・水銀等)は口・鼻・皮膚から体内に入る
- 「ボーリング試料に触れないから知識不要」→ 誤り(種類と特性の理解が必要)
3. 過去問例
(令和4年度 第3章 問36より)
次は,土壌汚染調査のボーリング作業について述べたものである。適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。
- (1) 地下水観測孔はオールストレーナー孔として仕上げる。
- (2) 揮発性物質を対象とする場合、打撃・圧入等で掘削を行う。
- (3) 泥水を用いて掘削を行う。
- (4) ボーリング孔は発生土で速やかに埋戻しを行う。
正解:(2)
ポイント:揮発性物質はビット回転による加熱で揮発・変質するため、打撃・圧入が必須。
4. 覚え方
| 混同しやすい事項 | 覚え方 |
|---|---|
| 観測井は別掘りしない | 「ボーリング孔をそのまま観測井に転用」 |
| 泥水・発生土はNG | 「汚染物質を拡散させるものは全て禁止」 |
| 礫除去は分析機関 | 「現場は採取のみ、加工は分析室」 |
| 有毒ガス → 防毒マスク | 「毒には毒(防毒)マスク」 |
5. 関連用語
- ボーリング調査:土壌汚染調査でも基本はボーリング
- 試料採取:通常の試料採取との違い(二次汚染防止)
- 地下水調査:汚染地下水の調査に関連
6. 参考文献
- オーム社『ボーリングポケットブック第6版』P.435「8章 土壌・地下水汚染にかかわる調査」
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