こんにちは!主任と申します
令和4年度 地質調査技士資格検定試験「現場技術・管理部門」(Ⅰ. 社会一般、行政、入札契約等(16問))の回答及び解説を作成しました
各問題の回答と解説は、「回答・解説はこちら→」に記載しています
地質調査技士の資格取得を目指す方々に少しでも役に立てば嬉しいです
令和4年度 地質調査技士試験「現場技術・管理部門」
Ⅰ. 社会一般、行政、入札契約等(16問)
問1. 次は,地質調査技士資格及び国土交通省の地質調査業者登録規程について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。
- (1)地質調査業務発注時の資格要件として多くの公的発注機関が活用している。
- (2)地質調査技士資格は国土交通省登録資格として,業務内容によるが管理技術者または主任技術者となることが認められている。
- (3)地質調査技士資格の継続には,3年毎に登録更新手続きが必要である。
- (4)CPD制度を活用することによって,登録更新講習会を受講しなくても登録更新が可能である。
【回答・解説はこちら→】
正解は「3」。地質調査技士資格の継続には、取得日から5年毎に登録更新手続きが必要。
(参考サイトURL:https://www.zenchiren.or.jp/geo_comp/全地連HP「地質調査技士」)
問2. 次は,技術者の継続教育(CPD)について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。
- (1)会社や所属団体の指示に基づき,技術者の能力の維持・向上を図るために行うものである。
- (2)全国地質調査業協会連合会の「e-Learning センター」で関連講座を学習するとCPD単位を取得できる。
- (3)国土交通省では,プロポーザル方式や総合評価落札方式による発注業務における技術者加算点として,CPDが使われている。
- (4)講演会の受講,学会発表,社内研修,自己学習,公的な技術資格の取得などによってCPD単位を取得できる。
【回答・解説はこちら→】
正解は「1」。会社や所属団体の指示に基づき行うのではなく、自らの責任において継続的な研鑽を行う。
問3. 次は,全国地質調査業協会連合会の「倫理綱領」のうち,社会的な責任を果たすための行動指針を示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。
- (1)従業員の福利厚生の向上
- (2)環境の保全
- (3)法令等の遵守
- (4)社会的使命の達成
【回答・解説はこちら→】
正解は「1」。全地連の倫理綱領の中に従業員の福利厚生の向上という行動指針は含まれていない。(「倫理綱領」は午後の部の必須問題にも出題されているため、必ず暗記するようにしましょう!)
(参考サイトURL:https://www.zenchiren.or.jp/jgca/jgca1_4.html 全地連HP「倫理綱領」)
問4. 次は,「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」(土砂災害防止法)について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。
- (1)国土交通大臣は,基本指針に基づき,当該都道府県の区域を分けて定める区域ごとに,土砂災害の急迫した危険が予想される降雨量(危険降雨量)を設定する。
- (2)都道府県は,おおむね5年ごとに,「基礎調査」として,急傾斜地の崩壊等のおそれがある土地に関する地形,地質,降水等の状況および土地の利用の状況などの調査を行う。
- (3)都道府県知事は,著しい土砂災害が発生するおそれがある土地の区域において一定の開発行為を制限し,建築物の構造の規制に関する所要の措置を定める。
- (4)都道府県知事は,土砂災害警戒区域内で,建築物に損壊が生じ住民に著しい危害が生じるおそれがある区域では,必要な措置を勧告することができる。
【回答・解説はこちら→】
正解は「1」。国土交通大臣ではなく都道府県知事が設定する。「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」(土砂災害防止法)の第27条に規定されている。
問5. 次は,「公共工事の品質確保の促進に関する法律」(品確法)について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。
- (1)災害時の入札契約方式では,随意契約等を適用することが明記された。
- (2)発注者の責務として,適正利潤の確保のため,予定価格の適正化が示された。
- (3)調査等,施工及び維持管理の各段階で,情報通信技術の活用を通じた生産性の向上への配慮が示された。
- (4)業務履行期間の設定の考え方は,示されていない。
【回答・解説はこちら→】
正解は「4」。業務履行期間の設定の考え方は示されている。「公共工事の品質確保の促進に関する法律」(品確法)の第7条の11には「公共工事等に従事する者の労働時間その他の労働条件が適正に確保されるよう、公共工事等に従事する者の休日、工事等の実施に必要な準備期間、天候その他のやむを得ない事由により工事等の実施が困難であると見込まれる日数等を考慮し、適正な工期等を設定すること。」とある。
問6. 次は,「国土地盤情報データベース」について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。
- (1)地盤情報の検定とは,検定に関する技術を有する「第三者機関」が,地質・土質調査で得られる地盤情報の成果の内容を確認する制度のことである。
- (2)検定および登録の対象となる地盤情報は,「ボーリング柱状図」,「土質試験結果一覧表」,「原位置試験結果データ」である。
- (3)検定および登録に要する費用は,業務費用として積算に見込まれている。
- (4)一般財団法人国土地盤情報センターは,検定を行う第三者機関として国土交通省から認定されている。
【回答・解説はこちら→】
正解は「2」。検定および登録の対象となる地盤情報に「原位置試験結果データ」は含まれていない。対象となるのは「ボーリング柱状図」と「土質試験結果一覧表」のみ。
問7. 次は,土壌汚染状況調査の実施方法を示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。
- (1)対象物質の種類の特定と土壌汚染の区分をするために地歴調査を実施する。
- (2)「資料収集」や関係者からの「聴取」,「現地確認」等により特定有害物質の種類を特定する。
- (3)試料採取等は単位区画ごとの土壌汚染のおそれにより,その密度を変えて行う。
- (4)すべての特定有害物質の試料採取等の方法は,地表から 50 ㎝までの土壌を採取し,土壌含有量を測定する。
【回答・解説はこちら→】
正解は「4」。地表から50cmまでの土壌を採取するのは第二種・第三種特定有害物質の場合。第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)の場合は土壌ではなく、表層付近の土壌中の土壌ガスを採取する。(土壌ガスの採取が困難な場合は、土壌ガスに代えて地下水を採取する。)
(参考図書:オーム社『ボーリングポケットブック第6版』 P.435 「8章 土壌・地下水汚染にかかわる調査」)
問8. 次は,「廃棄物の処理および清掃に関する法律」(廃棄物処理法)の目的示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。
- (1)廃棄物を適正に処理することにより,大気汚染防止を図り,国民の健康を保護すること
- (2)廃棄物の排出を抑制すること
- (3)生活環境を清潔にすることにより,生活環境の保全および公衆衛生の向上を図ること
- (4)廃棄物の適正な分別,保管,収集,運搬,再生,処分等の処理をすること
【回答・解説はこちら→】
正解は「1」。大気汚染防止を図り、国民の健康を保護するという目的はない。「廃棄物の処理および清掃に関する法律」(廃棄物処理法)の第一条(目的)は次の通り。「この法律は、廃棄物の排出を抑制し、及び廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする。」
問9. 次は,ISO9001:2015(品質マネジメントシステムに関する国際規格)について述べたものである。適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。
- (1)文書類をこの規格の箇条の構造と一致させなければならない。
- (2)様々な品質マネジメントシステムの構造を画一化することを意図している。
- (3)内部及び外部の関係者がこの規格を使用することができる。
- (4)この規格の特定の用語を組織内で使用する必要がある。
【回答・解説はこちら→】
正解は「3」。JIS Q9001(品質マネジメントシステム−要求事項)の「0.1 一般」に記載されている。
(参考サイトURL:https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?toGnrJISStandardDetailList 日本産業標準調査会ウェブサイト「JIS Q9001」)
問10. 次は,「第 5 次社会資本整備重点計画」の重点目標を示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。
- (1)持続可能なインフラメンテナンス
- (2)事業や施設間での連携による横断的指標の充実
- (3)インフラ分野のデジタル・トランスフォーメーション(DX)
- (4)防災・減災が主流となる社会の実現
【回答・解説はこちら→】
正解は「2」。重点目標は6つ設定されており、他には「持続可能で暮らしやすい地域社会の実現」「経済の好循環を支える基盤整備」「インフラ分野の脱炭素化・インフラ空間の多面的な利活用による生活の質の向上」がある。
(参考サイトURL:https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/point/sosei_point_tk_000003.html 国土交通省HP「社会資本整備重点計画について」)
問11. 次は,地質調査業者登録規定について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。
- (1)現場における地質または土質の調査等を管理する専任の者となる現場管理者を営業所毎に置くことが定められている。
- (2)地質調査業者登録を受けた者は,毎事業年度経過後,定められた期間内に現況報告書を国土交通大臣に提出しなければならない。
- (3)地質調査業者の登録がなくても,地質調査業の営業を行ってもよい。
- (4)地質調査業者登録の現場管理者と建設コンサルタント登録の技術管理者は,兼任することができる。
【回答・解説はこちら→】
正解は「4」。技術管理者及び現場管理者は地質調査に関し専任であることが求められるため、兼任することはできない。
(参考文献:国土交通省「地質調査業者登録規程の解釈及び運用の方針」)
問12. 次は,国土交通省における建設コンサルタント業務等の発注方式について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。
- (1)発注方式には,プロポーザル方式,総合評価落札方式,価格競争方式などがある。
- (2)プロポーザル方式では,業務内容に応じた評価テーマを示し,評価テーマに関する技術提案と当該業務の実施方針の提出を求め,技術的に最適な者を特定する。
- (3)事前に仕様を確定できるが,入札者の提示する技術等により,事業成果に相当程度の差異が生じることが期待できる業務は,プロポーザル方式が採用される。
- (4)当該業務の実施方針のみで,品質向上を期待できる業務は,総合評価落札方式(簡易型)が採用される。
【回答・解説はこちら→】
正解は「3」。プロポーザル方式ではなく「総合評価落札方式」が採用される。この方式には標準型と簡易型があり、評価テーマに関する技術提案の必要性(標準型は技術提案を求め、簡易型の場合は技術提案を求める必要はない)に応じてどちらかを選定する。
(参考文献:国土交通省「建設コンサルタント業務等におけるプロポーザル方式及び総合評価落札方式の運用ガイドライン」)
問13. 次は,仕様書に関する事項について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。
- (1)仕様書とは,業務を遂行する上で必要な事項を説明,指示したものである。
- (2)仕様書には,共通仕様書と特記仕様書がある。
- (3)共通仕様書と特記仕様書において,同じ作業の指示内容が異なる場合は,受注者は発注者に確認しなければならない。
- (4)共通仕様書は個々の業務特有の事項を記載したものであり,特記仕様書は発注者毎に定められている業務に共通して適用されるものである。
【回答・解説はこちら→】
正解は「4」。各仕様書の説明が逆になっている。「共通仕様書」は各業務に共通する技術上の指示事項等を定めた図書。「特記仕様書」は共通仕様書を補足し、当該業務の実施に関する明細又は特別な事項を定めた図書。
(参考文献:国土交通省「土木設計業務等共通仕様書(案)」)
問14. 次は,TECRIS(テクリス)について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。
- (1)登録は,発注機関が認めれば任意登録が可能である。
- (2)登録時期は,業務受注時と業務完了時のみである。
- (3)登録は,発注機関担当者が内容を確認した上で行う必要がある。
- (4)業務完了時の登録では,業務概要と業務キーワードを登録することができる。
【回答・解説はこちら→】
正解は「2」。登録時期は業務契約時、完了時及び変更時。
問15. 次は,受注者が業務上知り得た情報の扱いに関する守秘義務について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。
- (1)情報公開の指定があっても外部に公表してはいけない。
- (2)調査地点を示さなければ外部に公表してもよい。
- (3)発注者の同意があれば外部に公表してもよい。
- (4)退職した後でも外部に公表してはいけない。
【回答・解説はこちら→】
正解は「2」。外部に公表してはいけない。調査地点以外の情報も業務の実施過程で知り得た秘密、情報であるため第三者に漏らしてはならない。
(参考資料:国土交通省「地質・土質調査業務共通仕様書(案)(令和6年度版)」)
問16. 次は,「公共土木設計業務等標準委託契約約款」について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。
- (1)発注者は,業務に関する指示を受注者または受注者の管理技術者に対して行うことができる。この場合において受注者は,当該指示に従い業務を行わなければならない。
- (2)指示等及び協議は口頭により行わなければならない。
- (3)発注者は成果物が著作物に該当するとしないとにかかわらず,当該成果物の内容を受注者の承諾なく自由に公表することができる。
- (4)受注者は,業務の全部を一括して,または発注者が設計図書において指定した主たる部分を第三者に委任し,または請け負わせてはならない。
【回答・解説はこちら→】
正解は「2」。指示等及び協議は書面により行わなければならない。ただし、緊急やむを得ない事情がある場合には、指示等を口頭で行うことができる。
(参考資料:国土交通省「公共土木設計業務等標準委託契約約款」)
解説については図書や他サイトを参考に記述していますが、
私自身、勉強している身であるため、言葉足らずな点や間違い等あるかと思います
もし、間違い等あった場合は記事にコメントを残していただけると幸いです

