こんにちは!主任と申します。
令和5年度 地質調査技士資格検定試験「現場技術・管理部門」(Ⅳ 調査技術の理解度(12問))の回答及び解説を作成しました。
正解だと思う選択肢を選んでいただくと、
「正解」もしくは「不正解」が表示されます。
問題の解説については「解説」に記載しています。
地質調査技士の資格取得を目指す方々に少しでも役に立てば嬉しいです。
過去問は「一般社団法人全国地質調査業協会連合会」様から許可を得て使用しています。
令和5年度 地質調査技士試験「現場技術・管理部門」
Ⅳ. 調査技術の理解度(12問)
問67.地表地質踏査で確認した露頭Xにおいて,北西45度の走向で,傾斜90°(鉛直)の断層を確認した。この断層が連続すると仮定した場合,この断層が出現する可能性がある場所を図中の記号A〜Dから一つを選び記号((1)〜(4))で示せ。
(1)A
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(2)B
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(3)C
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(4)D
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正解は「3」。走行とは層理面、節理面、断層面等が水平面と交わる交線の方向のこと。露頭Xにおいて北西45°の走行で断層が連続しているため、路頭Xを中心に北西45°の方向に直線を引いた時、断層が出現する可能性がある場所はCのみ。
問68.下表は, 岩石・土質の状態と比抵抗の関係を関係を示したものである。表中の空欄A〜Dにあてはまる語句の適切な組合せ一つを選び記号((1)〜(4))で示せ。
(1)
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(2)
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(3)
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(4)
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正解は「1」。比抵抗とは電気の流れやすさを表す指標で、低いと電気を通しやすく、高いと電気を通しにくい。岩石や土質について比抵抗が低い(電気を通しやすい)と粘土鉱物含有量は大きく、温度は高い傾向にある。
問69.下表は,パイプ歪計による地すべりの変動種別を示したものである。表中の空欄A〜Dにあてはまる語句の適切な組合せ一つを選び記号((1)〜(4))で示せ。
(1)
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(2)
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(3)
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(4)
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正解は「3」。この表はパイプ歪計の観測結果から地すべりを判定するための基準。ちなみに、解析に用いる測定値は、パイプ歪計設置後1週間後のものから利用することを原則とする。
(参考資料:国土交通省砂防部 独立行政法人土木研究所「地すべり防止技術指針及び同解説(平成20年4月)」)
問70.下図は,あるボーリング孔の深度15m〜16m間の,ボアホールテレビ観察で得られた孔壁展開画像である。不連続面Aの走向及び傾斜方向の組合せとして,適切なもの一つを選び記号((1)〜(4))で示せ。
(1)東西走向で,南側に傾斜
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(2)北西走向で,南西側に傾斜
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(3)北東走向で,北西側に傾斜
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(4)南北走向で,西側に傾斜
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正解は「4」。孔壁展開画像を基に孔壁内のイメージをイラストにすると下図のようになる。
不連続面A(亀裂)が西側に傾斜していることが分かる。走行は傾斜に直角であるため、南北となる。
問71.次は,沖積地盤における土木的な問題点を示したものである。不適切なものを一つを選び記号((1)〜(4))で示せ。
(1)構造物の支持力不足
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(2)緩い砂層の液状化現象
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(3)開削に伴う地下水脈の切断や湧水の発生
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(4)軟弱層の層厚や不均一さによる不等沈下
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正解は「3」。沖積地盤は未固結で軟弱な地盤であるため、圧密沈下や地震時の液状化が発生しやすい。よって、この特徴に当てはまらないのは3のみ。
問72.次は,単孔を利用した透水試験(JGS1314-2012)で得られる,透水係数を評価する際の留意点について述べたものである。適切なもの一つを選び記号((1)〜(4))で示せ。
(1)揚水法では,平衡水位を実際の水位より深く評価してしまうと,得られる透水係数は過大に評価される。
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(2)透水性の高い地盤では,試験時の孔壁崩壊が生じやすく,得られる透水係数は過大に評価される。
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(3)透水性の低い地盤では,注水法で得られる透水係数は,揚水法で得られる透水係数と比べて過大に評価される。
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(4)試験孔の洗浄が不十分であると,得られる透水係数は過大に評価される。
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正解は「1」。(2)透水性の高い地盤では、試験時の孔壁崩壊が生じやすく、目詰まり等により得られる透水係数は小さくなる。(3)透水性の低い地盤では、注水法で得られる透水係数は、揚水法で得られる透水係数と比べて小さくなる。(4)試験孔の洗浄が不十分だと目詰まりにより得られる透水係数は小さくなる。
問73.次は,土の透水性について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)〜(4))で示せ。
(1)一般に,土の透水性は細粒分を多く含むほど低くなる。
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(2)粘性土の透水係数は,圧密試験結果から求めることができる。
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(3)定水位透水試験は,透水係数の比較的小さい土に適用する。
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(4)清浄な砂およびれきの透水係数は,粒度や間隔比などから推定できる。
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正解は「3」。定水位透水試験は透水性の高い土(砂や礫など)、変水位透水試験は透水性の低い土(微細砂やシルトなど)に適用される。
(参考図書:地盤工学会『地盤材料試験の方法と解説』 P.449「土の透水試験」)
問74.次は,土の一軸圧縮試験(JIS A 1216)および土の三軸圧縮試験(JGS0521〜0524)より得られる結果について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)〜(4))で示せ。
(1)一軸圧縮試験では,乱さない試料の試験と,同じ土を練返した後の試験を行うことによって鋭敏比Stを求めることができる。
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(2)飽和度の高い粘性土では,UU三軸圧縮試験により得られる破壊包絡線はほぼ水平(φu=0)となり,一軸圧縮試験結果は拘束圧0のUU三軸圧縮試験結果に相当する。
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(3)CUバー三軸圧縮試験では,軸圧縮過程で間隔水圧を測定し,有効主応力を算定する。
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(4)CD三軸試験では,非排水条件での強度が得られる。
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正解は「4」。CD三軸試験は排水条件での強度が得られる。非排水条件での強度が得られる試験は「UU」「CU」「CU バー」三軸試験(Uが付く試験)。
(参考図書:地盤工学会『地盤材料試験の方法と解説』 P.552「土の三軸試験」)
問75.次は,試験結果の報告事項を算出する過程で,土粒子の密度ρs(Mg/m3)の値が必要になる試験項目を示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)〜(4))で示せ。
(1)砂の最小密度・最大密度試験(JIS A 1224:2020)で,最大密度を求める場合
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(2)突固めによる土の締固め試験(JIS A 1210:2020)で,ゼロ空気間隔曲線を求める場合
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(3)土の段階載荷による圧密試験(JIS A 1217:2021)で,e-logp曲線を求める場合
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(4)土の粒度試験(JIS A 1204:2020)で沈降分析を実施して,粒径加積曲線を求める場合
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正解は「1」。最大密度を求める際は、最大密度試験の試料とモールドの質量(g)、モールドの容積の値が必要となる。
(参考図書:地盤工学会『地盤材料試験の方法と解説』 P.195「最小密度・最大密度試験」)
問76.下図は,実際の地山地質状況と,弾性波探査により得られる模式走時曲線を示したものである。模式走時曲線として適切なもの一つを選び記号((1)〜(4))で示せ。
(1)
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(2)
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(3)
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(4)
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正解は「1」。下位の地層の速度が上位の地層の速度より速い場合、起振点からある程度以上離れた場所では、下位の地層を伝わった波の方が上位の層を伝わった波よりも早く到達する。走時曲線は横軸に距離、縦軸に走時を表すため、上図のような地質状況で弾性波探査より得られる走時曲線は1のような形となる。
(参考図書:地盤工学会『地盤調査 基本と手引き』 P.51「第7章 弾性波探査」)
問77.下表は,弾性波動を利用する物理探査あるいは測定を示したものである。表中の空欄A〜Dに当てはまる探査法の適切な組合せ一つを選び記号((1)〜(4))で示せ。
(1)
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(2)
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(3)
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(4)
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正解は「1」。「音波探査」「常時微動測定」「微動アレイ探査」「表面波探査」それぞれの特徴についての設問は頻繁に出題される。
問78.下図は,弾性波探査法の解析における基本事項を示したものである。図中の記号A〜Dにあてはまる語句の適切な組合せ一つを選び記号((1)〜(4))で示せ。
(1)
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(2)
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(3)
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(4)
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正解は「1」。図は弾性波探査法の実用的な解析方法である「はぎとり法」を示したもの。弾性波探査の結果から走時を読み取る場合は、各受振点位置に対する走時を記録紙上にプロットし、同一の起振点データ毎に折れ線で結んだ走時曲線を作成する。その際、「全走時の一致」「原点走時の一致」「走時曲線の並行性」の各項目が満たされていることを確認する。ハギトリ線は速度走時曲線と呼ばれる直線のことで、その傾きから弾性波速度を求める。
(参考図書:地盤工学会『地盤調査 基本と手引き』 P.51「第7章 弾性波探査」)
解説については図書や他サイトを参考に記述していますが、
私自身、勉強している身であるため、言葉足らずな点や間違い等あるかと思います。
もし、間違い等あった場合は記事にコメントをいただけると幸いです。