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資格試験

【過去問回答&解説】令和7年度(2025年度) 地質調査技士資格検定試験(Ⅲ. 現場技術の知識(38問))

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令和7年度 地質調査技士資格検定試験「現場技術・管理部門」(Ⅲ. 現場技術の知識(38問))の回答及び解説を作成しました

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過去問は「一般社団法人全国地質調査業協会連合会」様から許可を得て使用しています

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令和7年度 地質調査技士試験「現場技術・管理部門」

Ⅲ. 現場技術の知識(38問)

問29. 次は,ボーリングポンプを取り扱う際の注意事項について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)クランクケースの回転部には, 泥水が入らないよう十分注意する。
  • (2)冬季には, ポンプ・ホース・配管などの凍結に注意し,作業終了時に完全に水抜きを行う。
  • (3)異物を吸込むとバルブの動作不良の原因となるため,吸入口には金網などを用いる。
  • (4)泥水の吸込み高さが高いほど効率が良くなるので,ポンプ本体と吸入口の高低差はなるべく大きくする。

【回答・解説はこちら→】

正解は「4」。

泥水の吸込み高さが「低い」ほど効率が良くなるため、ポンプ本体と吸入口の高低差はなるべく「小さく」する。

ボーリングポンプとは、一般的に泥水などの液体にエネルギーを与える吸込吐出能力を有した器具のことであり、掘削作業を行う際のカッティングス排出やビットの冷却、孔壁保護などを目的に使用される。

このポンプを取り扱う際の注意事項には次のようなものもある。

  • 「各注油箇所の油の点検および補給」
  • 「各部ボルト、ナットなどの点検、確実な締め付け」
  • 「空運転を長時間続けない(ピストン部がラバーなどの材料で作られているため、焼損や破損の可能性あり)」

(参考図書:オーム社『ボーリングポケットブック第6版』 P.29 「2章 ボーリング掘削装置および器具類」)

問30. 次は,給水設備の計画立案について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)水道など既存の給水設備からの給水が可能な場合もある。
  • (2)河川・用水路・湖沼を水源として,水タンクでの運搬やポンプでの給水を行う場合もある。
  • (3)河川・用水路・湖沼には多くの場合に水利権が設定されていないものの,取水する際は事前に了解を得る必要がある。
  • (4)小規模な河川・用水路・湖沼では,季節的な水量の増減や枯渇にも留意する必要がある。

【回答・解説はこちら→】

正解は「3」。

水利権とは「河川法上の河川の流水を占用する権利」のことであるため、河川法上の河川(一級河川や二級河川、準用河川)には水利権が設定されている。よって、「多くの場合に設定されていない」という表現は誤り。

ちなみに、河川法上の河川でない普通河川や溜池からの取水などは水利権の対象とならない。ただし、河川の流水は表流水だけでなく伏流水なども水利権の対象となるため、取水する場合は占用許可の申請が必要であるか十分確認すること。

(参考サイトURL:https://www.mlit.go.jp/river/riyou/main/suiriken/sinsei/ 国土交通省HP「水利権申請の手続き」)

問31. 次は,ボーリングの作業計画について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)作業目的を明らかにし,その目的にあった最適の方法を選択することが重要である。
  • (2)ボーリング地点の地形・土地利用・植生・用途などの状況に合わせ,安全対策にも考慮する必要がある。
  • (3)安全かつ効率的な作業のためには,気象・海象に関する条件を十分に調査することが重要である。
  • (4)効率的な作業のためには,予定掘削深度ちょうどのロッドやケーシングを準備することが重要である。

【回答・解説はこちら→】

正解は「4」。

効率的な作業を行うためには、予定掘削深度まで「十分余力を残した」掘削ツールス(ロッドなど)の準備が重要となる。

ちなみに、ボーリングマシンなどの機械を準備する場合、公称能力の70〜80%以内程度で計画し、増掘に十分対応できるような計画にすべきである。

(参考図書:オーム社『ボーリングポケットブック第6版』 P.105 「3章 計画・準備、仮設」)

問32. 次は,泥水管理について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)泥水比重の測定は,マッドバランス(比重計)を使用するのが一般的である。
  • (2)粘性の測定は,ファンネルビスコメーターを使用した 500cc 法が一般的である。
  • (3)泥水中の砂分が増加すると,ポンプやパイプ類の摩耗が大きくなる。
  • (4)pHの適正値は,泥材により大きく異なるため泥水管理項目ではない。

【回答・解説はこちら→】

正解は「4」。

pHは泥水管理項目に「含まれている」。pHの適正値は泥材により異なるものの、値が大きすぎるとゲル化や粘性低下を起こしやすく、低すぎると泥水が腐敗しやすくなる。現地でpH値を測定する場合は、pHメーターやpH試験紙を使用する。

ちなみに、泥水管理項目には「泥水比重」「粘性」「脱水量と泥壁形成」「砂分含有量」「pH」などがある。

(参考図書:オーム社『ボーリングポケットブック第6版』 P.157 「4章 掘進技術」)

問33. 次は,未固結層の掘進について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)一般的にメタルビットを使用することが多い。
  • (2)各種計測器具を挿入する場合は,真円性は問わない。
  • (3)孔内の残留カッティングスをよく排除する。
  • (4)孔壁保護に留意し,崩壊防止に努める。

【回答・解説はこちら→】

正解は「2」。

各種計測器具を挿入する場合は、ボーリング孔の真円性と鉛直性を良くし、深度の測定と計測器位置の算定を完全にする。

(参考図書:オーム社『ボーリングポケットブック第6版』 P.157 「4章 掘進技術」)

問34. 次は,孔曲がりが発生しやすい地盤の特徴を示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)層理・片理・節理などが発達した地盤
  • (2)硬軟の差がほとんどない互層
  • (3)破砕帯
  • (4)空洞の多い地盤

【回答・解説はこちら→】

正解は「2」。

孔曲がりが発生しやすいのは、硬軟の差の「著しい」互層である。

ちなみに、どのような地盤条件であっても孔を全く曲げないで掘進することは不可能に近い。ただ、孔曲がりの発生が予想される地層を掘進する場合は、孔曲がりが発生するものとして計画段階から対策を考えておくことが重要となる。

(参考図書:オーム社『ボーリングポケットブック第6版』 P.157 「4章 掘進技術」)

問35. 次は,孔内事故対策について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)ロッドの切断事故の原因は,使い過ぎによる強度低下が最も多い。
  • (2)膨潤性粘土鉱物を含んだ岩石の掘削時は,孔壁の押出しがあるため,一般的にケーシングは挿入しない。
  • (3)通常工法の場合は,ロッド落下事故時にアウトサイドタップを使用することが多い。
  • (4)抑留事故が発生した場合は,発生箇所や原因を詳細に把握する事が重要である。

【回答・解説はこちら→】

正解は「2」。

軟弱な粘土層や断層粘土、膨潤性粘土鉱物を含んだ岩石の掘削時は、孔壁の押出し事故発生の可能性がある。そのため、一般的に押出し事故防止としてケーシングを「挿入する場合が多い」。

(参考図書:オーム社『ボーリングポケットブック第6版』 P.157 「4章 掘進技術」)

問36. 次は,ボーリング掘削に先立ち行う埋設物(上下水道・ガス・電力・通信など)の確認について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)現場環境により埋設物情報を事前に取得しておくことが重要である。
  • (2)平面的な試掘確認範囲は,ボーリング削孔の最大孔径の範囲を確認すれば近接した埋設物があっても問題ない。
  • (3)狭い場所や埋設物が密な場所では,バックホウなどの作業効率の良い重機による試掘を避け,手掘り作業を基本とする。
  • (4)事前情報にない不明配管などが確認された場合は,その深度や大きさをスケッチや写真などで記録し,発注者および管理者へ報告する。

【回答・解説はこちら→】

正解は「2」。

ボーリング削孔の最大孔径よりも大きな径のハンドオーガーなどで掘削し、近接した埋設物があることを確認する必要がある。埋設物がないことを確認するのではなく、あることを確認し、それを避けることが重要。

ちなみに、試掘の深さは2m以上行い、それ以上の掘削深さとなる場合は「地山の掘削作業主任者」を選任し、その者に掘削の指揮を取らせる。

(参考資料:「ボーリング作業のための安全手帳(三訂版)復刻版(1992年3月)」全国地質調査業協会連合会)

問37. 次は,ロータリー式三重管サンプラーによる土試料の採取方法(JGS 1223-2012)について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)試料採取後は,サンプラーに衝撃を与えないように静かに引き上げる。
  • (2)サンプラーの押込みが困難となっても,続けて試料長 100cm まで試料採取を行う。
  • (3)押込み終了後,サンプラーの下端の深さを試料採取の終了深さとする。
  • (4)先端のシューは,鋼性で十分な剛性を有する物を用いる。

【回答・解説はこちら→】

正解は「2」。

サンプラーの押込みが困難となった場合は、押込みを中止してその時の押込み長さを測り、直ちにサンプラーに衝撃を与えないように静かに引き上げる。

ちなみに、サンプラーの押込み長さは100cm以下とすることが規定されている。

(参考図書:地盤工学会『地盤調査の方法と解説』 P.244「ロータリー式三重管サンプラーによる土試料の採取方法」)

問38. 次は,標準貫入試験(JIS A 1219:2023)について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)N値50以上と想定される地盤では,予備打ちを本打ちに代えることができる。
  • (2)本打ちは,特に必要がない限り50回の打撃回数で打ち切る。
  • (3)採取した試料は,密閉して保存する。
  • (4)採取試料が2つの土層にまたがる場合は,代表する1つの土層について記録して報告する。

【回答・解説はこちら→】

正解は「4」。

採取試料が複数の土層にまたがる場合は、試料の上下関係を保ったまま、各土層について記録し報告する。

(参考図書:地盤工学会『地盤調査の方法と解説』 P.280「標準貫入試験方法」)

問39. 次は,孔内水位回復法による岩盤の透水試験方法(JGS 1321-2012)について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)試験孔の掘削は清水掘りが望ましいが,安定液を使った場合は入念な洗浄を行う。
  • (2)孔内水位を測定し,トリップバルブの位置を決める。
  • (3)パッカーおよびトリップバルブを先端部に取り付けた水位測定管を接続しながら所定の深さまで挿入し,加圧装置によりパッカーを膨らませて孔壁に密着させる。
  • (4)パッカーを膨らませた後は,試験区間の水圧が変化しないように速やかにトリップバルブを開放する。

【回答・解説はこちら→】

正解は「4」。

パッカーを膨らませ、試験区間内の水圧が安定したことを確認した後、トリップバルブを解放する。「速やか」に解放するのは不適切。

ちなみに、試験区間内の水圧の安定を確認するためには、トリップバルブの下方に水圧計の設置などが必要。

(参考図書:地盤工学会『地盤調査の方法と解説』 P.559「孔内水位回復法による岩盤の透水試験方法」)

問40. 次は,単孔を利用した透水試験方法(JGS 1314-2012)について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)地下水面より下方の飽和した地盤を対象とする。
  • (2)非定常法と定常法の2種類があり,地盤の透水性などによって使い分ける。
  • (3)非定常法は,測定用パイプ内の水位を一時的に低下または上昇させ,平衡状態に戻る時の水位変化を測定する。
  • (4)定常法は,透水係数が 10-6m/s 程度以下と予想される砂質,れき質地盤に適している。

【回答・解説はこちら→】

正解は「4」。

定常法は、透水係数が「10-5m/s程度以上」と予想される砂質、れき質地盤に適している。

ちなみに、定常法は、揚水または注水して、測定用パイプ内の水位が一定となった時の流量を測定する。

(参考図書:地盤工学会『地盤調査の方法と解説』 P.515「単孔を利用した透水試験方法」)

問41. 次は,ボーリング孔内で行う物理検層について述べたものである。適切なものを一つ選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)電気検層は,地層の電気抵抗(比抵抗)を求めることで正確な地層の判定を目的とする。
  • (2)速度検層は,地盤の硬さや亀裂などを定量的に評価することを目的とする。
  • (3)密度検層は,地盤のアルファ線散乱強度から密度分布を測定する。
  • (4)磁気探査は,海水や地下水中では安定したデータが得られない。

【回答・解説はこちら→】

正解は「2」。

(1)電気検層は、地層の電気抵抗(比抵抗)や自然に発生している電位(自然電位)の深さ方向の分布を測定する方法であり、「地層区分、地層対比及び帯水層の判定」を目的とする。

(3)密度検層は、地盤の「ガンマ線散乱強度」から密度分布を深さ方向に連続して測定する。

(4)磁気探査は、海水や地下水中などの条件によらず安定したデータを得ることができる。一方で、コンクリート構造物など鉄類(磁性体)以外の物体には反応しないため、鉄類以外も検知可能な速度検層などと併用することが有効な場合もある。

(参考図書:オーム社『ボーリングポケットブック第6版』 P.321 「6章 ボーリング孔内を利用する原位置試験・計測」)

問42. 次は,地盤の弾性波速度検層方法(JGS 1122-2012)について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)ダウンホール方式は,試験孔の条件として孔内水が必要である。
  • (2)測定方法は,ダウンホール方式と孔内起振受振方式がある。
  • (3)ダウンホール方式は,地表で起振してボーリング孔内で受振する測定方法である。
  • (4)孔内起振受振方式は,ケーシングパイプが設置されている深度では測定ができない。

【回答・解説はこちら→】

正解は「1」。

ダウンホール方式の場合、試験孔の状況には基本的に制約はなく、「孔内水も不要」。この方式を実施する場合は、地表部に起振装置を設置するスペースを確保する必要がある。

ちなみに、孔内起振受振方式の場合は、試験孔内の水を介して地盤に波動を伝える構造のものが主流であるため、孔内水が必要となる。

(参考図書:地盤工学会『地盤調査の方法と解説』 P.98「地盤の弾性波速度検層方法」)

問43. 下図は,地盤材料の粒径区分とその呼び名(構成粒子)を示したものである。図中A ~ Dに当てはまる数値の適切な組合せ一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

【回答・解説はこちら→】

正解は「3」。

地盤材料の粒径区分とその呼び名(構成粒子)に関する問題は頻繁に出題されている(令和4年度や5年度試験にも出題)。特に、粘土とシルトを区分する「0.005mm」「0.075mm」も頻繁に問われる傾向にある。

ちなみに、各呼び名に「粒子」とつける場合は、構成粒子自体を意味する時。構成分を意味する時は、各呼び名にそれぞれ「分」を付けて表す。

(参考図書:オーム社『ボーリングポケットブック第6版』 P.237 「5章 試料採取と土および岩の分類」)

問44. 次は,地盤材料の工学的分類方法(JGS 0051-2020)について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)分類記号{SF}は,小分類の細粒分まじり砂である。
  • (2)砂質れき(GS)は,三角座標上で細粒分<5%,砂分≧15 である。
  • (3)石分とは粒径75mm以上であり,石分が50%以上含まれるものは岩石質材料である。
  • (4)粗粒分>50%,砂分≧れき分は,砂質土[S]である。

【回答・解説はこちら→】

正解は「1」。

分類記号{SF}は、「中分類」の細粒分まじり砂である。

ちなみに、小分類の分類記号は「( )」、大分類は「ゴシック」または「〔 〕」で区別する。

(参考図書:地盤工学会『地盤材料試験の方法と解説 [第一回改訂版] 』 P.72「地盤材料の工学的分類方法」)

問45. 下図は,細粒土の工学的分類体系において,塑性図で「A線より上に位置し,液性限界WL≧50%」に該当する分類を示したものである。適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)(CL)粘土 (低液性限界)
  • (2)(ML)シルト(低液性限界)
  • (3)(CH)粘土 (高液性限界)
  • (4)(CL)シルト(高液性限界)

【回答・解説はこちら→】

正解は「3」。

「A線より上に位置し、液性限界WL<50%」に該当するものは、「(CL)粘土 (低液性限界)」。

「A線より下に位置し、液性限界WL<50%」に該当するものは、「(ML)シルト(低液性限界)」。

「A線より下に位置し、液性限界WL≧50%」に該当するものは、「(MH)シルト(高液性限界)」。

液性限界WLはB線とも呼ばれ、液性限界値がこの線以上に位置すると「高液性(H:High liquid limit)」、下回ると「低液性(L:Low liquid limit)」となる。

塑性指数がA線よりも上に位置すると「粘土(C:Clay)」、下に位置すると「シルト(M:Mo(スウェーデン語のシルト))」となる。

地盤工学会『地盤材料試験の方法と解説 [第一回改訂版] 』より引用

(参考図書:地盤工学会『地盤材料試験の方法と解説 [第一回改訂版] 』 P.72「地盤材料の工学的分類方法」)

問46. 次は,岩盤ボーリングの総削孔長,削孔角度,削孔方位,地盤勾配について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)総削孔長は,削孔したボーリングの全長を1/100m 単位まで記入する。
  • (2)削孔角度は,鉛直下方を180 度,鉛直上方を0度とする。
  • (3)削孔方位は,斜めボーリングの場合は削孔方向の水平成分について記入する。
  • (4)地盤勾配は,孔口を中心に斜面上下でそれぞれ5m程度の範囲の平均勾配を記入する。

【回答・解説はこちら→】

正解は「2」。

削孔角度は、鉛直下方を「0度」、鉛直上方を「180度」とする。例えば、下方斜めボーリングの場合は30度、上方斜めボーリングの場合は150度など。

(参考サイトURL: https://www.zenchiren.or.jp/koukai/ 全地連HP「ボーリング柱状図作成及び ボーリングコア取扱い・保管要領(案)・同解説」)

問47. 次は,ボーリング柱状図の標題欄の記入要領について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号(1)~(4)で示せ。

 なお,記入要領は,一般社団法人全国地質調査業協会連合会「ボーリング柱状図作成及びボーリングコア取扱い・保管要領(案)・同解説」(平成27年6月)に準じるものとする。

  • (1)総削孔長は,削孔したボーリングの全長を1/100m単位まで記入する。
  • (2)緯度および経度は,ボーリング調査を行う敷地の中心位置を記入する。
  • (3)調査位置は,ボーリング孔口位置の地名を番地まで記入する。
  • (4)調査名は,設計図書に示されている正式な業務名称を省略せずに記入する。

【回答・解説はこちら→】

正解は「2」。

敷地の中心位置ではなく、「ボーリング孔口位置」の緯度及び経度を記入する。

ちなみに、緯度及び経度は、原則として世界測地系の度、分、秒で記入する。

(参考サイトURL: https://www.zenchiren.or.jp/koukai/ 全地連HP「ボーリング柱状図作成及び ボーリングコア取扱い・保管要領(案)・同解説」)

問48. 次は,標準貫入試験で採取した試料の記録について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)観察記録は,標準貫入試験1回毎に行う。
  • (2)カッティングスの有無と採取長を記録し,打ち込み深度と採取長が異なる場合は理由を記 録する。
  • (3)れきは最大径,れき種,混入割合について記録する。
  • (4)コンクリート片やレンガ片などの人工物の混入については記録する必要はない。

【回答・解説はこちら→】

正解は「4」。

コンクリート片やレンガ片などの人工物の混入についても「記録する必要がある」。

ちなみに、人工物の例としては、プラスチックや木片・木材、金属片、ガラスなども上げられる。

(参考資料:「ボーリング野帳記入マニュアル土質編(2000年9月)」全国地質調査業協会連合会)

問49. 次は,ボーリングコア写真の解像度に影響する要因を示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)ISO感度
  • (2)撮像素子(イメージセンサー)
  • (3)ホワイトバランス
  • (4)レンズ

【回答・解説はこちら→】

正解は「3」。

解像度に影響する要因にホワイトバランスは含まれていない。影響する要因としては次の通り。

  • 撮像素子
  • レンズ
  • ISO 感度
  • 手ぶれ
  • 記録方式、記録画素数、圧縮率

ちなみに、コア写真のみで地質性状を的確に判断するためにも、少なくとも約1mm以上の解像度の画質を確保する必要がある。

(参考サイトURL: https://www.zenchiren.or.jp/koukai/ 全地連HP「ボーリング柱状図作成及び ボーリングコア取扱い・保管要領(案)・同解説」)

問50. 次は,国土交通省「地質・土質調査成果電子納品要領」における電子成果品のフォルダ構成について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)「BORING」フォルダ直下には,地質情報管理ファイルを格納する。
  • (2)「LOG」サブフォルダには,電子簡略柱状図を格納する。
  • (3)「PIC」サブフォルダには,ボーリングコア写真の電子成果品を格納する。
  • (4)「TEST」サブフォルダには,土質試験および地盤調査の電子成果品を格納する。

【回答・解説はこちら→】

正解は「2」。

「LOG」サブフォルダには、「電子柱状図」を格納する。

ちなみに、電子簡略柱状図は「DRA」サブフォルダに格納する。

(参考資料:「地質・土質調査成果電子納品要領(平成28年10月)」国土交通省)

問51. 次は,設計・施工の面から,ボーリング調査における観察記事の重要性について述べたものである。文章中の空欄 A ~ C に当てはまる語句の適切な組合せ一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

 ボーリング調査は,杭基礎の施工等に対して,小型の A とみなせる場合がある。すなわち, B が,そのまま施工時のトラブルや事故を考える上での資料となるのである。特に, C ,孔壁の崩壊やせり出しなどは重要なデータとなる。

【回答・解説はこちら→】

正解は「3」。

「ボーリング野帳記入マニュアル土質編(2000年9月)」(全国地質調査業協会連合会)の「第8章 観察記事」から引用された問題。

ボーリング時の孔内の状況や掘削時の音等から施工段階で発生する事項を予測することができる。設計段階においてはボーリング時の状況から予測した事項を考慮した設計が必要となる。

現場において観察される現象とそれらから予想される地盤の性状、設計 ・施工上の問題点の例は下表の通り。

全国地質調査業協会連合会「ボーリング野帳記入マニュアル土質編(2000年9月)」より引用

(参考資料:「ボーリング野帳記入マニュアル土質編(2000年9月)」全国地質調査業協会連合会)

問52. 次は,土壌汚染状況調査でボーリングにより試料採取を行う際の注意事項について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)掘進の際は,採取試料の二次汚染に留意し,機器の洗浄を確実に行う。
  • (2)微量の汚染物質を分析することから,試料採取用具の都度洗浄や使い捨てにも気を配る必要がある。
  • (3)採取試料の化学的変化を極力抑えるため,高回転で掘削することを基本とする。
  • (4)有害物質の濃度変化が生じないように,掘削水を用いずに掘削する。

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正解は「3」。

採取試料の化学的変化を極力抑えるため、「熱を加えないように回転を行わず」掘削することを基本とする。土壌汚染状況調査におけるボーリングマシンの掘進方法は、振動あるいは打撃によるものがほとんど。

(参考図書:オーム社『ボーリングポケットブック第6版』 P.435 「8章 土壌・地下水汚染にかかわる調査」)

問53. 下図は,土の構成を模式図で示したものである。土の状態を示す諸量を表す数式として不適切なもの一つを下表より選び記号((1)~(4))で示せ。

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正解は「1」。

土粒子の密度𝜌sは、「土粒子の質量(ms)」 / 「土粒子の体積(Vs)」で表される。単位はMg/m3で適切。ちなみに、土粒子の質量(ms)/ 土の全体積(V)は「乾燥密度」を表す。

(参考図書:地盤工学会『地盤材料試験の方法と解説 [第一回改訂版] 』 P.114「土粒子の密度試験方法」)

問54. 次は,日本産業規格または地盤工学会基準に基づく室内試験と,そこで用いる主な試験器具を示したものである。不適切な組合せ一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

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正解は「2」。

土の液性限界・塑性限界試験で用いる主な試験器具は次の通り。

・液性限界測定器、溝切り及びゲージ(液性限界試験器具)

・すりガラス板、丸棒(塑性限界試験器具)

ちなみに、「メスシリンダー、浮ひょう、温度計、分散装置」は「土の粒度試験」の沈降分析で主に用いる。

(参考図書:地盤工学会『地盤材料試験の方法と解説 [第一回改訂版] 』 P.132「土の粒度試験方法」P.159「土の液性限界・塑性限界試験方法)

問55. 次は,土の静的三軸圧縮試験(UU,CU,CUバー,CD 条件)について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)3個以上の供試体を用いて,それぞれ異なる側方向応力で試験を行う。
  • (2)試験結果を用いてモールの応力円を描き,粘着力とせん断抵抗角を求める。
  • (3)原理的には,同じ土であれば圧密の有無,圧縮時の排水の有無によらず同じ結果が得られる。
  • (4)乱さない試料でも,乾燥したり,乾燥後に再度湿潤させたりすると,元の試料と結果が異なることがある。

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正解は「3」。

同じ土であっても、排水条件と供試体の密度によって求まる結果は「大きく異なる」。

例えば、CU条件(圧密・非排水)の場合はせん断中に過剰間隙水圧が発生するものの、CD条件(圧密・排水)の場合は排水しながらせん断するため間隙水圧は消散し、求まる強度に違いが生じる。また、UU条件(非圧密・非排水)のように圧密しない場合と圧密する条件(CUやCD条件)を比べた場合、圧密し供試体の密度を上げた状態の方がせん断強度は増加する傾向があるため、圧密の有無よっても求まる強度が異なってくる。

(参考図書:地盤工学会『地盤材料試験の方法と解説 [第一回改訂版] 』 P.610「土の非圧密非排水(UU)三軸圧縮試験方法」P.613「土の圧密非排水(CU)三軸圧縮試験方法」P.616「土の圧密非排水(CUバー)三軸圧縮試験方法」P.619「土の圧密排水(CD)三軸圧縮試験方法」)

問56. 次は,高有機質土の室内試験を実施する際の留意点について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)地盤材料の工学的分類(JGS 0051-2020)では,高有機質土は繊維質の分解の程度に応じて泥炭と黒泥に小分類される。
  • (2)電子レンジを用いた土の含水比試験(JGS 0122-2020)では,高有機質土は燃焼が懸念されるため試験の適用外である。
  • (3)土の粒度試験(JIS A 1204:2020)では,高有機質土は無機土粒子分が少なく試験の適用外である。
  • (4)土の強熱減量試験(JIS A 1226:2020)では,高有機質土は燃焼による過大評価となるため試験の適用外である。

【回答・解説はこちら→】

正解は「4」。

土の強熱減量試験は、土質工学で取り扱うすべての土を対象としており、黒泥や泥炭等の高有機質土も試験の適用範囲内である。

ちなみに、この試験はあらかじめ炉乾燥した土を加熱し損失した質量の減少量から、土に含まれている有機物量や水分量等の目安を得るための方法。

(参考図書:地盤工学会『地盤材料試験の方法と解説 [第一回改訂版] 』 P.342「土の強熱減量試験方法」」)

問57. 次は,岩石のスレーキング試験方法(JGS 2124-2020)および岩石の促進スレーキング試験方法(JGS 2125-2020)について述べたものである。適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)スレーキング区分は5つあり,数字が大きいほど形状変化の程度が大きい。
  • (2)供試体は,円柱状のものを用いる必要がある。
  • (3)24時間以上風乾させた後,(110±5)°Cで 48時間炉乾燥した試料を水浸させる。
  • (4)岩石の促進スレーキング試験は,岩石のスレーキング試験より短い時間で終了できる。

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正解は「1」。

(2)供試体は、50mm×50mm×20mm程度の「直方体状」または直径50mm×厚さ20mm程度の「円柱状」、あるいはこれらと同体積程度の「不定形」のものを用いる。なお、不定形のものを使用する場合は、鋭角な稜角部(かど)を持つものは避ける。

(3)24 時間以上風乾させた後、「(40±5)℃」で48時間炉乾燥した試料を水浸させる。

(4)促進スレーキング試験は乾燥と水浸を3回繰返すため、スレーキング試験よりも試験日数は長くなる。

(参考図書:地盤工学会『地盤材料試験の方法と解説 [第一回改訂版] 』 P.296「岩石のスレーキング試験方法」P.298「岩石の促進スレーキング試験方法」)

問58. 次は,岩石の供試体の作製方法(JGS 2511-2020)に示されている供試体の寸法について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)一軸圧縮試験および三軸圧縮試験に用いる供試体の高さは,直径の1~2倍を標準とする。
  • (2)圧裂引張り試験に用いる供試体の長さは,直径の 0.5~1倍を標準とする。
  • (3)一軸引張り試験に用いる供試体の高さは,直径の1~2倍を標準とする。
  • (4)弾性波速度計測に用いる供試体に礫(れき)や欠陥が含まれる場合は,供試体の長さは礫(れき)や欠陥などの大きさの5倍以上とする。

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正解は「1」。

一軸圧縮試験および三軸圧縮試験に用いる供試体の高さは、「直径の2倍」を標準とする。

ちなみに、許容範囲は直径の1.8〜2.5倍。

(参考図書:地盤工学会『地盤材料試験の方法と解説 [第一回改訂版] 』 P.881「岩石の供試体の作製方法」)

問59. 次は,コンクリートの劣化調査で実施される試験・測定方法を示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)コンクリートからのコアの採取方法及び圧縮強度試験方法(JIS A 1107:2022)
  • (2)コンクリートのスランプ試験方法(JIS A 1101:2020)
  • (3)コンクリートの中性化深さの測定方法(JIS A 1152:2018)
  • (4)硬化コンクリート中に含まれる塩化物イオンの試験方法(JIS A 1154:2020)

【回答・解説はこちら→】

正解は「2」。

コンクリートのスランプ試験方法は、レディーミクストコンクリートのコンシステンシー(変形や流動に対する抵抗の程度)を測定する際に実施するものであり、コンクリートの劣化調査で実施される試験ではない。

問60. 次は,微動アレイ観測におけるハドルテストについて述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)地震計の特性がそろっていることを確認するテストである。
  • (2)振動源が近くにある場所でテストする。
  • (3)複数の地震計を同時にテストする。
  • (4)平坦で硬くしっかりしている地面に設置しテストする。

【回答・解説はこちら→】

正解は「2」。

ハドルテストは測定に用いる装置の特性が揃っていることを確認するものであり、「静穏な場所」で行うことが求められる。

ちなみに、このテストは、微動アレイ観測を行うにあたり必須である。

(参考図書:地盤工学会『地盤調査の方法と解説』 P.149「微動アレイ探査」)

問61. 次は,電磁探査の特徴について述べたものである。適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)CSAMT法は,送信信号の周波数が高いほど探査深度が深くなる。
  • (2)TDEM法は,送信電流切断後に受信する信号の時間が長いほど探査深度が深くなる。
  • (3)市街地や工場内ではノイズの影響を受けにくい。
  • (4)電気伝導度が低い(比抵抗が高い)地質に対する感度が高い。

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正解は「2」。

(1)周波数が高いほど探査深度は浅く、周波数が低くなるほど探査深度は深くなる。ちなみに、CSAMT法は、数100m〜1kmまでの深さの調査に適している。

(3)市街地や工場内は、電磁ノイズ発生源や金属構造物が密集していることから、ノイズの影響を受けやすく、電磁探査の適用が難しい。

(4)電磁探査は金属埋設物や粘土など低比抵抗構造に対して検知能力が優れており、空洞のような高比抵抗構造に対する感度は低い。

(参考図書1:地盤工学会『地盤調査の方法と解説』 P.155「電磁探査」)

(参考図書2:一般財団法人 経済調査会『改訂3版 地質調査要領』 P.407「地質調査に利用される主な物理探査手法」)

問62. 次は,埋没鉄類を対象とした陸上磁気探査の基本的な特徴について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)地表から浅い範囲を対象とした水平探査と,ボーリング孔を利用し深部を対象とした鉛直探査がある。
  • (2)埋設管の位置や鋼矢板の根入れ深度の調査として鉛直探査が利用される。
  • (3)水平探査で調査する深度が地表から深い場合,表層の掘削作業を伴う。
  • (4)対象が250kg爆弾相当の調査の場合,センサ間隔が10m程度となるように測線や探査孔の配置を設定する。

【回答・解説はこちら→】

正解は「4」。

対象が250kg爆弾相当の場合、磁気探査の探査有効範囲は0.5〜2.0m程度であるため、センサ間隔が「0.5〜1.0m程度」となるように測線や探査孔の配置を設定すべきである。

(参考図書:地盤工学会『地盤調査の方法と解説』 P.132「磁気探査」)

問63. 下表は,地質調査に利用される主な物理探査手法と得られる情報を示したものである。表中の空欄 A ~ D に当てはまる適切な組合せ一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

【回答・解説はこちら→】

正解は「2」。

高密度表面波探査は、地表からの起振により、地盤の表面付近を伝わる表面波(レイリー波)を観測し、深度20m程度までのS波速度分布を求める探査法。

比抵抗法二次元探査は、地盤に人工的に直流電流を流し、発生する電位を多数点で測定することにより、地盤の電気的性質である比抵抗分布を求める手法。

屈折法弾性波探査は、地表付近での発破などにより人工的に弾性波を発生させ、地下の速度境界で屈折し戻ってきた屈折波を観測、解析し、地盤の弾性波速度(P波速度)構造を求める探査法。

反射法弾性波探査は、地表付近で人工的に弾性波(P波またはS波)を発生させ、地下の速度境界で反射し戻った波動を観測、解析し、反射境界面の形状(地層面の分布)を把握する探査法。

(参考図書:一般財団法人 経済調査会『改訂3版 地質調査要領』 P.407「地質調査に利用される主な物理探査手法」)

問64. 次は,ボーリング孔内で行う弾性波(または音波)を利用した測定方法について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)ダウンホール法は,地表起振-孔内受振で測定される方法である。
  • (2)PS検層は,孔壁周辺の微細な比抵抗分布を把握する方法である。
  • (3)VSPでは,初動だけでなく波形全体を記録することが重要である。
  • (4)速度検層(P波検層)では,多連式のゾンデを用いることがある。

【回答・解説はこちら→】

正解は「2」。

PS検層は、ボーリング孔周辺地盤の「弾性波速度分布」を把握する方法である。孔壁周辺の地盤の比抵抗分布を把握する方法は、電気検層。

(参考図書:一般財団法人 経済調査会『改訂3版 地質調査要領』 P.450「地質調査に利用される主な物理検層手法」)

問65. 次は,PS 検層のダウンホール方式(板たたき法)について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)掘削完了後の保護管として挿入した塩ビ管の影響は無いものと考えて実施した。
  • (2)探査深度が深くなったので,繰返し打撃(スタッキング)をした。
  • (3)S波起振の場所が草地のため,草を除去して土の上に板を設置した。
  • (4)S波起振用の板の上に水を入れたドラム缶を載せて,板を密着させた。

【回答・解説はこちら→】

正解は「1」。

保護管が測定結果に影響を与える可能性があるため、起振装置をボーリング孔口から2〜3m程度離れた位置に設置し実施する。

(参考図書:地盤工学会『地盤調査の方法と解説』 P.98「速度検層」)

問66. 次は,密度検層について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)ガンマ線強度は,ボーリング孔径の影響を受ける。
  • (2)ガンマ線の光電効果を利用する。
  • (3)バックグランド測定として自然放射能検層も実施する。
  • (4)コバルト,セシウム等を放射線源として使用する。

【回答・解説はこちら→】

正解は「2」。

密度検層は、放射性同位元素から放射されるガンマ線の「コンプトン散乱」を利用し、ボーリング孔壁周辺の密度分布を測定する。

コンプトン散乱とは、ガンマ線が物質中を通過する際に元素の軌道電子と衝突し、エネルギーの一部を失って異なった方向に散乱する現象のこと。この散乱したガンマ線の強度を測定することで、地盤の密度を把握することができる。

(参考図書:地盤工学会『地盤調査の方法と解説』 P.160「密度検層」)


解説については図書や他サイトを参考に記述していますが、

私自身、勉強している身であるため、言葉足らずな点や間違い等あるかと思います

もし、間違い等あった場合は記事にコメントを残していただけると幸いです

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