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資格試験

【過去問回答&解説】令和7年度(2025年度) 地質調査技士資格検定試験(Ⅵ. 管理技法(10問))

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令和7年度 地質調査技士資格検定試験「現場技術・管理部門」(Ⅵ. 管理技法(10問))の回答及び解説を作成しました

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過去問は「一般社団法人全国地質調査業協会連合会」様から許可を得て使用しています

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令和7年度 地質調査技士試験「現場技術・管理部門」

Ⅵ. 管理技法(10問)

問91. 次は,労働安全衛生法で指定されている技能講習の受講で従事可能な作業を示したものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)特定粉じん作業
  • (2)10kN 以上の玉掛け
  • (3)ガス溶接
  • (4)10kN 以上の不整地運搬車運転

【回答・解説はこちら→】

正解は「1」。

特定粉じん作業は、「特別教育」の受講で従事可能な作業。事業者は、危険または有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、安全または衛生のための特別教育を行う必要がある。

(参考図書:オーム社『ボーリングポケットブック第6版』 P.475 「9章 工程管理、安全管理等と地質調査に関連する法規および手続き」)

(参考資料1:労働安全衛生法 第59条「安全衛生教育」)

(参考資料2:労働安全衛生規則 第36条「特別教育を必要とする業務」)

問92. 次は,ボーリングロッドの昇降作業時の安全対策について述べたものである。適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)ワイヤロープは,巻胴に最低1巻以上残るように使用しなければならない。
  • (2)玉掛け作業に用いる台付けワイヤロープの安全率は,4以上が必要である。
  • (3)ボーリング作業で用いるワイヤロープの安全率は,3以上が必要である。
  • (4)ロッドの着脱作業は,巻揚機に荷重を保持させたまま行う。

【回答・解説はこちら→】

正解は「3」。

(1)ワイヤロープは、巻胴に「2巻以上」残るように使用しなければならない。

(2)玉掛け作業に用いる台付けワイヤロープの安全率は「6以上」が必要。

(4)ロッドの着脱作業は、巻揚機に荷重を保持したまま行わず、チャックやロッドホルダーに確実に荷重を移して実施する。仮に、巻揚機に荷重を保持させたまま作業を行うと、ロッドの不意の落下や振れ・回転による挟まれ等のおそれがあり危険。

(参考図書:オーム社『ボーリングポケットブック第6版』 P.475 「9章 工程管理、安全管理等と地質調査に関連する法規および手続き」)

(参考資料:クレーン等安全規則 第213条「玉掛け用ワイヤロープの安全係数」)

問93. 次は,土壌汚染調査時の安全対策について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)ボーリング試料には触れないため,有害物質に関する知識は不要である。
  • (2)試料採取に用いたサンプラーは,引き揚げ毎に洗浄による除染作業を行う。
  • (3)地下水採取時は,有害物質が目に入ることを防ぐため保護眼鏡を着用する。
  • (4)有害物質を含む粉塵がある場所では,防塵マスクまたは防毒マスクを着用する。

【回答・解説はこちら→】

正解は「1」。

有害物質には、気体や粉塵の状態で口や鼻、目、皮膚を経て体内に取り込まれて人の健康に影響を与えるものが存在するため、調査の対象とする物質の種類と物理・化学的な特徴を理解しておく必要がある。

ちなみに、気化する物質にはテトラクロロエチレンやトリクロロエチレン、四塩化炭素、水銀などが存在し、気化しない物質には鉛や六価クロムなどが存在する。

(参考図書:オーム社『ボーリングポケットブック第6版』 P.435 「8章 土壌・地下水汚染にかかわる調査」)

問94. 次は,地質調査業務で用いられる実施工程図について述べたものである。適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)曲線式工程図は,クリティカルパスを見つけ工期を最適化する検討に適している。
  • (2)ネットワーク式工程図は,工種毎の関係が複雑な作業には適さない。
  • (3)ガントチャートは,各工程の所要日数が明確で他工種との関係が明確に理解できる。
  • (4)バーチャート工程図は,工種毎の所要日数が明確で,各工種との相関性もある程度理解できる。

【回答・解説はこちら→】

正解は「4」。

(1)クリティカルパスを抽出し、工期を最適化する検討に適しているのは「ネットワーク式工程図」。曲線式工程図は、出来高の時間変化を示した工程図で、工種毎の進捗管理に適している。ちなみに、クリティカルパスとは、業務内で最も時間が掛かる作業経路のこと。

(2)ネットワーク式工程図は、工種毎の関係が複雑な作業に「適している」。

(3)ガントチャートはスケジュール管理や作業管理など様々な進捗状況の管理に用いられるものであるが、各工程の所要日数や他工種との関係を把握するのには適さない。ネットワーク式工程図であれば、各作業の所要日数、関係性を明確に把握できる。

(参考図書:オーム社『ボーリングポケットブック第6版』 P.475 「9章 工程管理、安全管理等と地質調査に関連する法規および手続き」)

問95. 次は,気象情報の入手方法について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~ (4))で示せ。

  • (1)土砂災害に関する情報は,危険度の高まりをリアルタイムで把握することが困難でありHP上では公開していない。
  • (2)河川の防災情報は,国土交通省のほか,地方自治体でもHP上で公開している。
  • (3)国土交通省港湾局は,海上の風速や波高に関する総合情報「ナウファス」を公開している。
  • (4)集中豪雨に関する情報は,気象庁のほか,国土交通省でも高精度レーダ情報を一部の地域で公開している。

【回答・解説はこちら→】

正解は「1」。

気象庁では、大雨による土砂災害発生の危険度の高まりを把握することができる「土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)」をHP上で公開している。この情報は、常時10分毎に更新されており、大雨警報(土砂災害)や土砂災害警戒情報等が発表されたときに危険度の高まりを把握できる。

(参考図書:オーム社『ボーリングポケットブック第6版』 P.475 「9章 工程管理、安全管理等と地質調査に関連する法規および手続き」)

問96. 次は,気象警報と注意報について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)降雨・降雪に関する気象警報には,暴風,暴風雪,大雨(浸水害),大雨(土砂災害)がある。
  • (2)予想される津波が3mの場合は大津波警報,1mの場合は津波警報,0.5mの場合は津波注意報が発令される。
  • (3)強風注意報が発令されている場合,作業中止基準に近い風が吹く可能性がある。
  • (4)雷の発生が予想される場合には,発生確率に応じて雷警報が発令される。

【回答・解説はこちら→】

正解は「4」。

雷警報は存在しない。雷の発生や落雷等により被害が予想される場合は「雷注意報」が発令される。

(参考図書:オーム社『ボーリングポケットブック第6版』 P.475 「9章 工程管理、安全管理等と地質調査に関連する法規および手続き」)

(参考サイトURL:https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/warning_kind.html 気象庁HP「気象警報・注意報の種類」)

問97. 次は,地盤材料試験の方法とその結果を得るために必要な試験回数(個数)の組合せを示したものである。不適切な組合せ一つを選び記号(1)~(4)で示せ。

【回答・解説はこちら→】

正解は「4」。

UU試験は、同一試料から作製した「3個以上」の供試体について、必要とされる応力の範囲内の相違なる等方応力のもとで行う。

ちなみに、CU試験やCUバー試験、CD試験についても「3個以上」の供試体について試験を行う。

(参考図書:地盤工学会『地盤材料試験の方法と解説 [第一回改訂版] 』 P.610「土の非圧密非排水(UU)三軸圧縮試験方法」)

問98. 次は,危険物の取扱手順のうち,塩酸および硝酸を使用する際の安全作業指針について述べたものである。不適切なもの一つを選び記号(1)~(4)で示せ。

  • (1)ガラスを溶解するため,密封できるポリエチレン製の容器に保管する。
  • (2)各種の金属やコンクリートを侵すので,必要に応じてゴムシート等で防護する。
  • (3)揮発しやすく蒸気は有毒であるため,作業者は風上側で扱う。
  • (4)コンクリートや吸収しやすい材料の上にこぼれた場合には,換気をよくして,ソーダ灰・石灰等で中和する。

【回答・解説はこちら→】

正解は「1」。

ガラスは塩酸や硝酸で溶解される可能性は低いため、保管する際の容器として利用されることが多い。

ちなみに、塩酸および硝酸を保管する際は、直射日光や熱源を避ける。

(参考資料:「安全手帳<応用編・危険物取扱編>Ver.3.0(2025年12月)」全国地質調査業協会連合会)

問99. 下表は,爆薬および電気雷管のSDS(安全データシート)に示されるGHSシンボル(化学品の分類および表示に関する世界調和システムのシンボル)を示したものである。GHSシンボルの説明として適切な組合せ一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

【回答・解説はこちら→】

正解は「1」。

GHSとは「化学品の分類および表示に関する世界調和システム」(The Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals:GHS)のことで、化学品の危険有害性を絵表示等を用いて分かりやすく表示し、災害防止及び人の健康や環境保護に役立てるもの。

GHSシンボルと各シンボルの概要は下記の通り。

全国地質調査業協会連合会「安全手帳<応用編・危険物取扱編>Ver.3.0(2025年12月)」より引用
全国地質調査業協会連合会「安全手帳<応用編・危険物取扱編>Ver.3.0(2025年12月)」より引用

(参考資料:「安全手帳<応用編・危険物取扱編>Ver.3.0(2025年12月)」全国地質調査業協会連合会)

(参考サイトURL:https://anzeninfo.mhlw.go.jp/user/anzen/kag/ankg_ghs.htm 厚生労働省 職場のあんぜんサイト「GHSとは」)

問100. 次は,物理探査の現地作業での保安事項について述べたものである。適切なもの一つを選び記号((1)~(4))で示せ。

  • (1)電気探査や電磁探査では測定の電圧は大きくないため,感電事故防止に留意する必要はない。
  • (2)路肩で手押し型の地中レーダ探査を実施する場合に限り,警察・道路管理者への道路使用許可申請は必要としない。
  • (3)密度検層では放射線を使用しないため,放射線取扱主任者を現場に配置する必要はない。
  • (4)弾性波探査で震源に火薬類を使用する場合,申請者が有資格者である必要はない。

【回答・解説はこちら→】

正解は「4」。

(1)電気探査や電磁探査では、測定時に高い電圧を電極にかけることがあるため、感電事故防止に留意しなければならない。

(2)路肩(道路)で作業を行う場合、道路使用許可申請が必要となる。

(3)密度検層では放射線を使用するため、「放射性同位元素等の規制に関する法律」の第34条に規定されている放射線取扱主任者を選任し、現場に配置する必要がある。

(参考資料:放射性同位元素等の規制に関する法律 第34条「放射線取扱主任者」)

(参考図書:地盤工学会『地盤調査の方法と解説』 P.160「密度検層」)


解説については図書や他サイトを参考に記述していますが、

私自身、勉強している身であるため、言葉足らずな点や間違い等あるかと思います

もし、間違い等あった場合は記事にコメントを残していただけると幸いです

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